象牙質の露出で歯がしみる
歯の一番外側にある層を、エナメル質と呼びます。そしてその下にあるのが、象牙質です。
エナメル質の擦り減り、歯茎の退縮などが進むと、この象牙質が露出し、冷たいものなどがしみることがあります。しみるからといって、必ずしも虫歯だとは限らないというわけです。
歯がしみる3つの原因
-
歯周病
虫歯や知覚過敏ほど頻繁ではありませんが、歯周病でもしみることがあります。顎の骨の吸収が進み、その上にある歯茎が退縮することで、象牙質が露出します。通常、しみるのは一瞬です。
知覚過敏
エナメル質が薄くなり、象牙質が露出して起こる症状です。虫歯や歯周病でないのに歯がしみるというときには、知覚過敏が強く疑われます。
歯ぎしりや食いしばりで知覚過敏になる!?
エナメル質の擦り減り自体は、誰にでも起こるものです。食べたり喋ったりする中で、少しずつすり減っていきます。
特に、歯ぎしりや食いしばりの癖がある方は、その擦り減りが速くなります。こういった癖があると、若い方でも知覚過敏は起こり得るのです。
知覚過敏は自然治癒しない!?
擦り減ったエナメル質が自然に修復されるということはありません。そのため、知覚過敏を放置していても、勝手に治るということは期待できず、むしろ悪化の一途をたどることになります。
「気のせいかな」「そのうち慣れるだろう」と考えるのではなく、早めに歯科医院で治療を受けましょう。
歯がしみる場合の治療法
虫歯で歯がしみる場合
歯を削って、詰め物や被せ物を取りつける治療を行います。神経にまで達した虫歯の場合、その神経を取り除く治療(根管治療)が必要になることがあります。
歯周病で歯がしみる場合
まずは、歯周病そのものに対する歯周基本治療(スケーリング・ルートプレーニングとセルフケア指導)、歯周外科治療などが必要になります。
その上で、歯茎の退縮によって露出した象牙質に対しては、コーティングを施したり、被せ物で覆うといった治療を行います。
知覚過敏で歯がしみる場合
軽度のものであれば、歯の表面のコーティング、コンポジットレジン充填などで症状の軽減が期待できます。また当院では、半導体レーザーによって知覚過敏の症状を軽減する治療も行っております。
一方で重度のものであれば、神経を除去する治療、被せ物治療が必要になることがあります。
なお、歯ぎしり・食いしばりがある場合には、知覚過敏の悪化や再発防止のため、マウスピースの使用を検討します。
熱いもので歯がしみる場合は危険な状態かも…
虫歯・歯周病・知覚過敏のいずれを原因とする場合であっても、基本的に最初は「冷たいもの」がしみるようになります。
「熱いもの」でしみる場合には、いずれかがかなり進行している状態だと考えてください。放置して改善することはありませんので、早めに受診をおすすめします。